高齢者の夏バテを食事から改善!食欲が落ちても慌てない
2016/07/05
高齢者の方は、若い方よりも免疫力や基礎体力が低下していたりする場合が多く、若い方なら影響を受けないような状況であっても高齢者の方は体に大きなダメージを受けることもあります。
家族や近しい人に高齢者の方がいらっしゃると、普段の生活から体調管理に気を配ることも多いでしょう。
けれども、夏は普段以上に注意が必要です。夏バテを予防するためには、まずは食事から対策をすることが効果的です。
高齢者の方の場合は夏に食欲が落ちることもありますが、食事の内容に気を配ることで夏バテから守っていきましょう。
今回は、高齢者の方の夏バテと夏バテ防止の食事についてお話します。
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高齢者の方の夏バテ
夏は、若い人にとっても過ごしにくい季節です。ですから、高齢者の方は若い人以上に夏バテになりやすいとも言えます。
夏バテの主な症状として挙げられるのは、体のだるさ、疲労感、食欲不振です。
一度、夏バテになると食欲不振によって体に必要な栄養素を補えず、余計に体が衰弱するという悪循環が生まれて夏バテが重症化する危険もあります。
夏バテを引き起こす原因は、体力の低下、自律神経の不調、気温差、水分の過剰摂取などが挙げられますが、高齢者の方は高齢者特有の原因で夏バテになることも多いです。
水分不足による夏バテ
夏になると頻繁に飲み物を飲む方も多くなりますが、高齢者の方の場合は逆で、脱水による夏バテが引き起こされることがあります。
年齢を重ねるうちに体の機能は衰えるので、暑い中にいても暑さに鈍感になってしまい、知らない間に汗として体の水分が失われます。
また、高齢者の方の中には頻繁にトイレに行くことを避けるために水分の摂取を控えている方や、嚥下機能の低下によって水分をうまく摂取できない方もいらっしゃいます。
そのため、高齢者の方の夏バテ防止では、脱水症状が起こらないように気を配るようにしましょう。
暑さによる夏バテ
暑い日々が続くと、若い方でも体力を消耗します。これは、高齢者の方でも同じです。しかし、若い方の場合は暑いと感じれば冷房を利用したり、風通しに工夫をしたりすることで暑さ対策ができます。
若い方にとっては、冷房の存在は当たり前に感じても、高齢者の方の中には冷房を嫌がる方も多くいらっしゃいます。
冷房は部屋を涼しく保ってはくれますが、高齢者の方の中には、冷房を使うことで関節に痛みを感じる方や冷房そのものに対して体に悪いイメージを持たれている方も多いのです。
しかし、暑い部屋の中にずっといたらどうなるでしょうか。水分は失われ、夏バテどころか熱中症になる恐れもあります。
高齢者の方の夏バテ防止をする時には、冷房を使用するなら靴下やサポーターで痛む箇所を守ってあげたり、冷房利用を嫌がられるようだったら窓にすだれなどを取り付けて自然の風で部屋が涼しくなるようにしてあげましょう。
栄養不足による夏バテ
若い方でも食事量が減れば、摂取できる栄養素も減ります。高齢者の方の場合は、加齢によって元々若い方よりも食が細くなっている方も多くいらっしゃいます。
また、嚥下機能に衰えがある場合は、口から食べ物を摂取することがさらに難しくなります。そして、食の細さや嚥下機能だけでなく、消化機能の衰えも加齢によって進んでいる場合があります。
消化機能が衰えていると、若い方と同じものを食べてもうまく胃腸が機能せず、消化器の調子を崩す恐れがあります。
高齢者の夏バテを防止するときには、なるべく消化しやすい食事にするようにしましょう。また、一度に多く食べられなかったとしても、小分けして食べるようにすれば消化器への負担が減らせます。
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夏バテ対策のための高齢者の方の食事と飲み物
高齢者の方特有の夏バテの原因でもお話したように、高齢者の方は若い方と同じように水分を摂取したり、食事をしたりすることが難しい場合があります。
しかし、栄養や水分が不足すれば夏バテになってしまいます。そこで、ここでは、ケース別に夏バテ対策のための高齢者の方の食べ物と飲み物についてお話します。
どうやって水分摂取をさせたらいいの?
高齢者の方の中には、もともと水分摂取を控えている方もいらっしゃいます。そうした方には、まずは夏バテにならないためにも水分摂取が必要だということをよく話しましょう。
それだけでも、夏の期間は水分摂取に積極的になってくれるかもしれません。また、同居をしているならば、「一緒にお茶でも飲もうよ!」と誘い、世間話などをしながら高齢者の方と一緒にお茶を飲みましょう。
誰かと一緒に行うことで、高齢者の方も違和感なく水分を摂取する機会を増やせますし、家族内のコミュニケーションにもなるのでこの方法はオススメです。
ただし、嚥下機能の低下がみられる場合には飲み物を飲むことで誤嚥性肺炎に繋がる危険もありますので、水分にとろみをつけ、ゆっくりと時間をかけて少しずつ摂取させましょう。
また、その際には必ず傍についていてあげるようにしましょう。
食事ができない高齢者はどうしたらいいの?
嚥下機能の低下や病気などの影響によって、通常の食事をすることが難しい高齢者の方もいらっしゃいます。
そうした高齢者の方でも栄養素や水分が不足すれば夏バテを引き起こしてしまいます。そうした高齢者の方には、飲み込みのレベルに応じて食事を与えるようにしましょう。
例えば、舌と歯茎でつぶせる程度のものならば食べられる高齢者の方ならば、夏バテに効果的なビタミンやマグネシウム、消化を助ける消化酵素を多く含む食材を使った介護食にするようにしましょう。
また、たんぱく質や栄養素が多く含まれているゼリーもオススメです。
食事はできても食欲が落ちている時にオススメの食べ物は?
嚥下機能に問題がなく、若い方と同じように食事をされている高齢者の方で食欲が落ちている時には、豆腐がオススメです。
豆腐には夏バテに効果が高いビタミンB1とマグネシウム、たんぱく質が多く含まれています。
豆腐はのど越しもよく、食欲が落ちていてもつるりと食べやすいので高齢者の方も好まれる食材です。また、消化にも優しいので消化機能が低下している高齢者の方でも安心して食べられます。